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REVIEW

VELDE / 『Trust』

UPDATE : 2015/11/15

VELDE
『Trust』

1.Trust
2.Throw away your theory
3.Gossip
4.scar
5.silent town
6.Side of the river

2015/9/16発売
¥1200-(TAX IN)
※会場限定

2014年結成の5人編成ラウドロックバンドVELDEの1st mini album 『Trust』はVELDEというバンドを知ってもらう上で良い意味で不完全なパズルだ。

楽曲のレビューをする前に彼らの活動に触れておこう。『Trust』という珠玉の5曲の音源を引っさげ、現在彼らは月に10本というハイペースでライブを敢行している。現在、一介の非流通のインディーバンドとしては異例の本数。それもそのほとんどが彼らが主戦地としている東京でのライブだ。
『何故?』という疑問は、きっと『Trust』を部屋で、ヘッドフォンで聴いていても解き明かされる事は無いだろう。そう言った意味でこの音源は不完全だ。ライブハウスで確かに鳴らされる『Trust』で、彼らの汗、息づかい、表情、全てを体感して初めて完結する作品。不完全なパズルを一人でも多く、そして手の届く距離に居る人に直接手渡す。そんな彼らの誠実さがこの作品であり、『”Trust”Release Tour』と銘打たれたライブの真意だ。

M-1『Trust』は叙情的なアルペジオからその幕を開ける。それに寄り添うVo.YUTAROの優しくも儚さを感じさせる歌声、そして壮大なスケールを感じさせるイントロダクション。その一連のアレンジメントは語弊を恐れずに言えばPTPを彷彿させる。その上でVELDEをVELDEたらしめているものは『陽』とでも言うべきカタルシスだ。コード感やメロディラインが哀愁に刺さりながらも、サビに入った瞬間に訪れる昂揚感。フロアを遮断しない世界観、とでも表現するべきか。拒絶しないエモ、オルタナティブとでも表現するべきか。ダンスミュージックのようなあっけらかんとした昂揚感とは別種のカタルシス。for allに向けた機能美としての昂揚感ではなく、for oneの為に身を削る昂揚感。胸に突き刺さる哀愁と拳を突き上げる激情が共存する音楽。共有と共感をクロスオーバーさせた佳曲。

そして彼らのアンセムともなっているM-4『scar』。説明不要の壮大なバラード。洋楽の質感を持った「泣きのメロディ」を体現出来る数少ない邦楽ロックバンドであることを証明する楽曲。大雑把に言ってしまえばスタジアムロックのような、大ホールが想像出来る名曲。個人的にイチオシ。

この作品がVELDEのキャリアの上でどういう位置づけの作品になるのか。 それは彼らのこれからの歩み次第だろう。新人にして非常に高い完成度。しかし、それがVELDEの武器ではないことを我々は知っている。1年後にはライブハウスレベルでは手が付けられないバンドになっている可能性大。(S氏)

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