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REVIEW

まぜたらうまい /『三三昧』

UPDATE : 2016/04/03

まぜたらうまい
『三三昧』

1.溺れる魚
2.笑い男
3.蜃気楼
2016/4/2
価格:¥700
※会場限定

それぞれ他のバンドで活動していたメンバーが混ぜ合わさることで試験的に2012年に結成し、2014年に都内中心に本格的に活動をスタートした『まぜたらうまい』。展開の読めない緊張感とドラマチックなメロディを併存させた楽曲で話題沸騰中の彼らの新作が遂に4/2下北沢ReGにて開催の彼らの自主企画『マゼネバvol.2』でベールを脱ぐ。

M-1『溺れる魚』はまさに彼らをネクストステージへ押し上げる佳曲。幻想的でドラマチックなプロローグからリットして、彼らの持ち味である『鋭さ』を極限まで研ぎすませたイントロが鳴り響いた瞬間に、勝ちを確信する感触。そして今までの作品以上に桐原 諒(Vo./Gt.)の持つ声の透明性が際立ったサウンドディレクションとアレンジ。彼らが選んだのは「いかにまぜたらうまいの核を残しつつ、削ぎ落とせるか」という命題の遂行だ。バンド名に冠するように、「まぜる」という行為の実験要素に、ポピュラリティという「成果」をもたらしているのが、まさにこの楽曲だ。
ライブでもお馴染みのM-2『笑い男』は実験過程における彼らの「エグみ」を抽出して煮詰めたようなオルタナティブミクスチャーギターロック。歪んだベースから幕を開ける120秒という濃縮された短い時間の中で「不穏さ」や変拍子による「不安定さ」シンコペーションの多様による「性急な焦燥感」をこれでもか、と詰め込んだある意味彼らの真骨頂。
M-3『蜃気楼』は『溺れる魚』で見せたポピュラリティを踏襲しつつも、繊細でテクニカルな要素が散りばめられたプログレッシブポップ。楽曲の構成はJ-POPにも通じるようなスタンダードな構成ながら、場面転換、オケ中でのそれぞれのフレージングの個性が3曲中最も色濃く反映されている。構成をシンプルにするという縛りの中で、どれだけ異端であれるか。そして、最終的にポップミュージックであれるか、という彼らのアンサーソング。

変則的なギターロックバンドという括りだけで表現するにはあまりにも言葉が足りない、 進化の一端を見せた一枚。これが2016年というミュージックシーンのスタンダードになるのかもしれない。

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