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REVIEW

メロライン / 『ホンネ。』

UPDATE : 2015/09/30

メロライン /『ホンネ。』

1.prologue_ハジマリノオト 
2.ホンネ。
3.重ねる温度
4.乙女心
5.変わらないモノ

2015/7/29発売
¥1200-(TAX IN)

都内を中心に活動し、日常の光と影を等身大の歌詞とどこか懐かしいメロディーでリスナーを魅了し続けるメロラインの最新作。
7月より半年間連続企画を打ち立て、12/12には赤坂CLUB TENJIKUにて自身初のワンマンライブを控える、彼らのまさに『ホンネ』が詰まったような珠玉の5曲だ。

M-1『Prologue 〜ハジマリノオト〜』で鳴らされる『ホンネ。』の始まりの音は、インストゥルメンタルでありながら、彼ららしいドラマチックな展開を2分という短い時間の中で紡いでいる。
鍵盤の旋律から幕を開け、各アンサンブルが「メロライン」という指揮者によって一つのストーリーを描くように壮大に構築されていく。J-POPを基調とする彼らだが、イージーリスニングと対極のクラシック、オーケストラを感じさせる広がりをこの楽曲で表現している。良い意味でリスナーを「構えさせる」この楽曲の意味は大きい。
アンサンブルが収束し、鍵盤の旋律が途切れるとほぼ同時にVo.けーすけの歌声から始まるリードトラックM-2『ホンネ。』はまさにこのミニアルバムの核となる楽曲。『Prologue 〜ハジマリノオト〜』は、この楽曲を聴かせる為の2分間の壮大なイントロであったと思わせるような珠玉のメロディ。ギターロック然とした疾走感を持ちながらも、「ながら」で聴くことができない、笑顔で涙腺破壊系バラードチューン。テレビを見ながら、ドライブをしながら、料理を食べながら。この楽曲が耳に飛び込んできた瞬間に誰もがテレビの電源を落とす、車を停めてハザードを焚く、右手に持った箸をそのまま置く、そんな説得力のあるメロディ。音楽に耳を、心を集中させる以外の全ての行為を不純物に感じてしまうような名曲だ。
M-3『重ねる温度』は印象的なリズムのイントロフレーズを基軸に浮遊するメロディから、ある種のセクシーさを感じさせる楽曲。3分余りの尺の中で飽きさせないギミックが嫌味無く配置された構成は、彼らの編曲能力の高さを感じさせる。ミドルテンポの楽曲の中で様々な表情を演出していく佳曲。
そしてシリアスな空気感を一変させるM-4『乙女心』はシャッフルリズムと小気味良いカッティングを存分に聴かせながら、リスナーのテンションを高揚させるようなスパイス曲。その中で「ノリ」だけの浮ついた楽曲にならないのは、楽曲のジャジーなアレンジと前曲から踏襲されたセクシーさを感じさせる旋律のバランス感覚だろう。
M-5『変わらないモノ』はVo.けーすけの独白のような歌声から始まる、「まさにメロライン」という真骨頂のバラード。楽曲構成もストレスの無い、奇をてらわない王道のそれ。一歩間違えば冗長にもなるJ-POPの王道から逃げない、決意を感じる楽曲。大袈裟なリズムアプローチや、難解な楽曲構成でストレスを掛け続けサビで解放するような近年のギターロックのカタルシスとは一線を画したこの楽曲で、彼らの5曲のストーリーは完結する。

メロラインは現在のインディーミュージックシーンにおいては、逆に異端なのかもしれない。フェスミュージック全盛の中にあって、彼らの音楽は良い意味でパーソナルを凝縮したような世界観で彩られている。10000人を画一的に踊らせるような装置としての音楽ではない、1人の心を貫くような音楽。

心を貫かれた一人一人が集まって、それが結果的に広いステージになる。そんな光景をこのバンドで観てみたい。そう「ホンネ。」で思わせる力に溢れた音楽がここにある。(S氏)

MUSIC

※期間限定

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